【研究の背景】
現在、新型コロナウイルスが現在猛威を振るっている中、肺疾患である慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者はコロナ感染後重症化しやすいことが分かりつつあり、また、死亡率は13.0%と全体の死亡率5.6%より明らかに高いことが分かりつつあります。このCOPDは、喫煙や粉じん暴露などの環境要因が誘因となって肺胞壁の破壊が起こり、気流制限を伴う肺機能低下が引き起こされる疾患です。COPDは世界中で高い有病率をもち、WHOによれば全世界で死因の第3位(2019年)を占めています。しかし、わずかに気管支拡張薬の吸入や在宅酸素療法などが症状の緩和に有用であるものの、根治に結び付く治療方法は皆無です。したがって、COPD発症の分子基盤を解明し新たな治療の標的を探索することは極めて重要な課題です。
【ポイント】
・肺疾患である慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症過程において、Fchsd1の発現が上昇することを発見し、その遺伝子欠損(KO)マウスではCOPDの発症が著しく抑制されることを世界で初めて発見しました。
・Fchsd1欠損によるCOPDの発症メカニズムは酸化ストレス応答を抑制していることがわかり病態解明と新規治療法開発への応用が期待できます。
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